事例紹介 事例紹介

事例紹介

CASE 事例:株式会社ブルボン様

対象製品 『贅沢ルマンド』シリーズ

導入後の成果

ISSUES ISSUES 紙パッケージ導入の背景や課題

ブルボン様の創業は関東大震災の翌年1924年、来年で100周年を迎えられます。当時、震災により地方への菓子供給がストップした窮状を見て地方の量産工場での菓子作りを決意し創業、当初より「社会に役立つ事業」を志され栄養価が高く保存が容易なビスケット製造を始められました。現在はお客様の「心と体の健康づくり」に寄与する健康増進総合支援企業を目指されています。
環境配慮への取り組みも積極的で、脱プラ包装への取り組みとしてノートレーや紙トレー化を推進し、ストローとして使用できるトッピングクッキー「コロネクッキー」を発売するなどユニークな試みも行っておられます。

株式会社ブルボン 第一製品開発部 ビスケット開発課

櫻井 奎仁 様

王子「紙パッケージ導入のきっかけや背景はどのようなものだったのでしょうか」

株式会社ブルボン様(以下、ブルボン様)
「当社の経営理念は『利害相反する人を含めて、集団の生存性を高める』というもので、SDGsの課題解決を含め『困ったときにもお役に立てる企業』を目指しています。そのため、環境への取り組みとしての脱プラスチック包装にも積極的に取り組んできました。」

ブルボン様「紙包装についてはプラスチックフィルムに代わる素材として、社内でも以前より検討を開始していました。
ところが、当社製品には繊細で割れやすいものがあり、また紙という材料に対する深い知見もなく既存包装機械を使っての紙包装化がうまく進んでいない状況でした。」

POINT 紙パッケージ導入のポイント

01 王子からの適切な提案タイミングとワンストップサービス活用による包装機械メーカーでの実機実演デモ

王子「紙パッケージが導入できた一番のポイントはなんでしょうか。」
ブルボン様「王子さんのサポートによる課題解決がもっとも大きなポイントでした。紙パッケージ実現に向けては、実際にロール紙のサンプルを取り寄せて、かねてより社内の試作、検討を開始していました。しかし、プラスチックフィルムと違って紙はシワになりやすかったりヒートシールがつきにくかったりとその扱い方が全く異なっており、知見の無い中で既存の製造設備、包装機械で実現する方法を模索していました。」
ブルボン様「今回、王子さんには紙の手配だけでなく、早い段階でワンストップサービスの一環として当社導入済の機械メーカー様で同じ機械を使った紙化包装の実演デモを行ってもらうことができました。コロナの影響があったためリモートでの視察でしたが画面越しにでも実機の試作工程を見ることができ『同じ機械で紙化包装ができるんだ』ということが納得でき、一気に実現に向けた動きを加速させることができました。」

02 デザインを表現する印刷へのこだわり・商品美観を保つ工夫

王子「パッケージデザインで苦労されたこと、他に工夫されたことなどあれば教えてください。」
ブルボン様「すでにリニューアルのデザイン案ができていたのですが、紙の印刷業者とのお付き合いが無かったためその点についても王子さんのワンストップサービスを活用させてもらいました。実績のある印刷業者様をご紹介いただけたおかげで社内監査もスムーズに進み、もちろん印刷品質についても納得できるまで検討を重ねることができました。」

印刷については比較的スムーズに進んだ一方、紙パッケージ導入までには多くの工夫があったとのこと。

ブルボン様「包装工程において紙がシワになってしまい製品としての見栄えが悪くなったり、ケース詰めの段階で機械の吸引力が強くてシワができたり、また、輸送時に箱の中でシワが発生するということもありました。プラスチックフィルムはシワになっても戻りますが、紙の場合は一度シワになるとそれが残ってしまい商品にならないので、全工程でシワを生じさせないための調整や冶具による対応、梱包箱のサイズ変更まで多くの見直しを行いました。」

03 社内一丸となり、商品リニューアルタイミングに合わせた導入を短期間で実現

王子「沢山の工夫や変更があったにも関わらず、検討開始から導入までのスピードがとても速かった印象です。」
ブルボン様「そうですね。はじめの打合せから製品発売までに要した期間は約10か月間でした。もともと『贅沢ルマンド』のリニューアルスケジュールが決まっていたため、そこに合わせるために検討開始から7ヵ月目の段階で量産前のラインテストで合格することが必要で、それに向け関係各課と連携していく必要がありました。」

スピード導入実現の裏には生産現場の大きな協力があったとともに「もう後戻りできない」というプレッシャーから生まれる集中力によるところもあったようです。
今回の紙化プロジェクトをまとめられた櫻井さんは入社3年目の若手社員。このような大きなプロジェクトを任された気苦労や努力は相当なものだったと想像しますが、社内関係者の心強いサポートとなによりもご本人の集中力が成功の鍵のひとつだったようです。

左から 株式会社ブルボン 新飯田執行役員、第一製品開発部 櫻井様、同 阿部係長、製造管理部 徳永部長代理、同 田澤課長

RESULT RESULT 紙パッケージ導入後の成果

パッケージ紙化による主な効果をお伺いしました。

01 紙のようなパッケージから“紙”パッケージへの変更で『贅沢ルマンド』コンセプトの完成度がアップし、お客様の納得感を獲得

ブルボン様「創業50周年を記念して発売した『ルマンド』は当社を代表する商品であり、新しく高付加価値を追求した『贅沢ルマンド』は、発売前から社内外の注目と期待がありました。2021年発売の初代『贅沢ルマンド』では高級感を出すため、紙をイメージした艶消しのプラスチックフィルムをパッケージに使用したのですが、お客様からは紙パッケージと間違われたり「なぜ紙にしないのか?」との反応をいただいていました。今回、リニューアルに合わせて紙パッケージを実現したことでお客様の期待に応えることができました。プラスチック削減に貢献できる点は、結果的に『贅沢ルマンド』の完成度を上げ、良いストーリーで紙パッケージ導入ができたと感じています。」

(左)2021年発売当初のパッケージ。艶消しのプラスチックフィルムを使用して紙のような高級感を演出。

(右)2022年10月リニューアル時に導入された紙化パッケージ。高級感、おいしさの表現がバージョンアップされ『贅沢ルマンド』のコンセプト完成度もアップ。

02 パッケージの紙化により年間約35トン*のプラスチック使用量削減が可能に

*同社見込み量

ブルボン様「これまでも脱プラ包装の取り組みでノートレー化や紙トレー化を進めており、プラスチック使用量を削減してきましたが、やはり外装袋変更による削減量は大きく、見込みでは年間約35トン分のプラスチック使用量削減につながると試算しています。お客様が商品を購入することで、脱プラ包装の取り組みに主体的かつ無理なく参加できるという点に意味があると感じています。商品としてのリニューアル、バージョンアップと環境への大きな貢献を両立できた良い取り組みとなりました。」

最後に、今後の取り組みについてもお話を伺いました。

「ブルボンでは、”食=健康=環境”との意識で製品開発、事業展開を行っています。食品としての安全、安心はもちろんのこと、健康のために必要な環境配慮にも高い意識で取り組んでいくことが重要と考えています。今後もその姿勢をつらぬき、お菓子のおいしさ、楽しさを通してお客様の心にやさしさや豊かさをを感じていただけるよう取り組んでまいります。」

SOLUTION 導入ソリューション

紙素材(片艶 かたつや)を選択。
片艶の特長 … 片面の平滑を高め光沢をもたせた片艶晒(かたつやさらし)クラフト紙。
印刷の引き立つ艶面、ナチュラルなザラ面、表裏の違いが魅力。
※片艶とアルミフィルムを貼り合わせたパッケージです。

PROFILE お客様プロフィール

株式会社ブルボン

本社所在地 新潟県柏崎市駅前1丁目3番1号
創業 1924年(大正13年)11月20日
代表者
  • 代表取締役社長 吉田 康
業種 菓子・飲料・食品・冷菓の開発・製造・販売、業務用販売・通信販売・自動販売機
URL https://www.bourbon.co.jp/

『ブルボン贅沢シリーズ』ブランドサイト
https://www.bourbon.co.jp/zeitakuseries/